八葉グループ名誉会長、
予期した破たん会員に隠す


 健康食品販売会社「全国八葉(はちよう)物流」(本社・沖縄県北谷(ちゃたん)町、
今年1月に破産宣告)など八葉グループの出資法違反事件で、実質的経営者だった
田所収・グループ名誉会長(68)が昨年7月ごろ、「近くシステムの維持が難しくなる」
などと幹部会議で語っていたことが27日、明らかになった。田所名誉会長は同年9月
には「(グループは)永遠に盤石」と会員らに説明しており、警視庁生活経済課では、
田所名誉会長が昨年夏にすでに破たんを予期しながら、会員には実態を隠していた
とみて調べている。  関係者によると、田所名誉会長は昨年7月ごろの幹部会議などで「近いうちに必ず
マスコミ攻勢にさらされ、システムの維持が困難になる。会員を獲得できなくても
システムを維持できるよう、資金を集めておくべきだ」などと発言したという。
 この方針に沿った形で、社内では新たな資金獲得作戦が検討され、同11月の幹部
研修会で、新商品開発を名目にした「協賛金」構想のもと、「1口500万円、配当なし」
のうたい文句で2か月間に600億円集める目標が設定された。従来、グループが集め
ていた出資金だと、会員に配当を回さなければならなかったが、「協賛金」はそのまま
会社資金に充当できるとされた。
 しかし、配当がないことで、会員からは理解が得られず、集まった協賛金は約6億円だけ。
資金繰りが一層厳しくなったグループは、その後、なりふり構わぬ新規会員獲得キャンペ
ーンを展開したが、新規会員への配当が負担となり、破たんを早めたとみられる。
破たんを予期して資金集めに躍起になっていた一方で、田所名誉会長は同年9月、
横浜アリーナで開かれた同グループ2周年記念式典では、全国の会員約8000人を前に
「いつまでも経済革命をやっていけるシステム。しっかりしているので、八葉は永遠に盤石
です」などと、経営の堅調さを誇っていたという。
読売新聞 (3月27日14:56)

出資法違反:
「八葉物流」グループ企業幹部から聴取 警視庁 


 食品販売会社「全国八葉(はちよう)物流」(本社・沖縄県北谷(ちゃたん)町)
の出資法違反事件で、警視庁生活経済課などは25日、関係先の家宅捜索で顧客名簿
や営業マニュアル、パソコンなど約1500点を押収した。詐欺容疑での立件を視野
に、同社前社長(55)ら複数のグループ企業幹部からの事情聴取も始めた。捜索で
は現金や貴金属類などは見つからなかった。
 また、被害対策東京弁護団(宇都宮健児団長)は「商法の実態や流出した金の行方
が解明されれば被害救済につながる。預かり金の一部を隠した者は速やかに返済すべ
きだ」との声明を出した。

[毎日新聞3月25日] ( 2002-03-25-21:44 )


八葉物流:
出資法違反容疑で全国31カ所を家宅捜索 警視庁 


 栄養補助食品の販売事業への投資を募って破たんした食品販売会社「全国八葉(は
ちよう)物流」(本社・沖縄県北谷(ちゃたん)町)について、警視庁生活経済課な
どは25日午前、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で関係先の家宅捜索を始めた。
「1年で投資金が2倍になる」などとうたい、2年余りの間に全国の会員約5万人か
ら約1560億円を集めており、警視庁は当初から破たんを認識していたとみて詐欺
容疑でも調べる。立件されれば約2025億円を集めた豊田商事事件に次ぐ、大型詐
欺事件となる。
 同社は食品開発やイベント企画など7社で構成する「八葉グループ」(田所収名誉
会長)の中核。捜索は東京都港区の本部ビルなど全国31カ所で行われた。

 調べでは、同社は00年10月〜昨年10月ごろまでの間、青梅市の主婦(69)
ら6人に、ハチの巣やカニの殻のエキスから製造した栄養補助食品の代行販売で、2
倍の配当を約束。計約1420万円を投資させ、銀行などにしか認められていない
「預かり金」をした疑い。

 食品開発会社「八葉薬品」が99年9月に事業を始め、01年3月に全国八葉物流
が引き継いだ。新たな会員を獲得すれば報酬が得られる仕組みで、口コミで会員を増
やしたが、商品はほとんど流通していなかったという。警視庁などは金銭配当を目的
とした組織で、新規投資を配当に回す自転車操業を続けていたとみている。

 配当は当初は支払われていたが、昨年12月28日にストップし、1月28日に自
己破産を申請、翌日破産宣告を受けた。破産宣告時の負債が約495億円に上るのに
対し、資産は81億円にとどまるという。

知人誘い入れ

人間関係も崩壊 昨年6月入会した群馬県の雑貨販売会社の女性経営者(45)は、
知人の建設関係者の仕事をしている知人の紹介で「八葉」を知った。示された預金通
帳には、月2回の定期的な入金。「これは確実かも」。株式投資金として活用してい
た約1000万のうち150万円を投資。半月後に12万円が入金されたのを確認
し、投資額を増やした。

 結局、3000万円を投資、1400万円まで配当も届いた。昨年12月15日、
県内で開かれた同社のセミナーでは幹部から「頑張ってね」と握手を求められ、知人
も次々誘い入れた。

 1月1日朝、旅先から、会員に招き入れた知人にかけたおめでとうコールで半年間
の「夢」から覚めた。「それどころじゃない。大変なのよ」。12月末に突然、会社
は配当ストップを宣言していた。

 帰宅後、会社幹部との交渉役、被害者のまとめ役をかって出た。多くの会員が夫に
内証だったり、友人関係を壊したりしていた。「人間関係の被害が深刻。私も針のム
シロに座った気になったけど、誘ってしまった知人が私を信用してくれているから、
まだ救われている」と話した。

[毎日新聞3月25日] ( 2002-03-25-13:55 )


出資法違反:
「全国八葉物流」強制捜査へ 警視庁 


 栄養補助食品の販売事業への投資を呼び掛け破たんした食品販売会社「全国八葉
(はちよう)物流」(本社・沖縄県北谷(ちゃたん)町)について、警視庁と沖縄県
警などは23日までに、「1年で投資金が倍になる」などと配当を約束して出資させ
たとして出資法違反(預かり金の禁止)容疑で強制捜査することを決めた。25日に
も東京都港区の本部ビルなどを家宅捜索する。警視庁などは当初から破たんすること
を承知して投資を募ったとみて、詐欺容疑での立件も視野に捜査を進める。
 同社は、食品開発やイベント企画など7社で構成する八葉グループ(田所収名誉会
長)の中核で、99年9月以降、約4万8600人の会員から計約1500億円を集
めたとされる。立件されれば悪質商法事件としては約2025億円を集めた豊田商事
事件に次ぐ規模。今年1月の破産宣告時の被害額は約495億円に上るという。

 関係者によると、同社はハチの巣やカニの殻のエキスから製造した栄養補助食品の
代行販売で「必ず配当する」などとうたって、会員を出資額に応じて「販社」や「特
約店」など数段階にランク分け。約150万円出資の「代理店」コースでは月2回1
2万円ずつの配当があると宣伝するなど、ほとんどのコースで1年間に投資額の2倍
近い配当を約束し、会員を募っていた。

 また、他に会員を獲得すれば5万〜30万円程度の紹介料も支払うシステムで、口
コミで会員を増やしたという。

 99年の事業開始以来、配当を払い続けていたが、昨年12月29日になってス
トップ。1月28日に東京地裁に自己破産を申請し、翌日破産宣告を受けた。会社側
によると、投資額以上の配当を得られていない会員は約4万人いて、破産宣告時の資
産は約81億円という。

 警視庁などは、同社が新規会員の投資を配当に回す「自転車操業」状態を続け、昨
年12月になって配当できなくなり破たんに追い込まれたとみている。

 25都道府県で被害対策弁護団が結成されており、詐欺罪での刑事告訴や損害賠償
請求訴訟が検討されている。

[毎日新聞3月24日] ( 2002-03-24-03:01 )