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クーリングオフ期間を過ぎてしまった場合
あきらめないで!

平成13年4月1日に、消費者契約法が施行されました
あなたの契約日は何年何月ですか?
平成13年4月1日より後なら、ちょっと頑張れば解約・支払い減額などできるかもしれません。



次に掲げる事業者の不適切な行為により、消費者が自由な意思決定が妨げられたこと(誤認又は困惑)によって契約した場合には、誤認したことを気づいた時又は困惑を脱した時から6ヶ月以内かつ契約から5年以内であれば契約を取り消すことができます。
1.不実告知 重要な項目について事実と異なることを告げられた
2.断定的な判断の提供 将来の不確実なことを断定的に言う
3.不利益事実の故意の不告知 重要な項目について不利益になることを故意に言わない
4.不退去 帰ってくれと言っても帰らない
5.監禁 帰りたいと言ったのに帰してくれない


契約の中に、消費者の利益を一方的に害する次のような条項が入っている場合、その条項の全部又は一部が無効となります。
1.事業者の損害賠償の責任を免除したり制限する条項 (1)事業者の過失等により生じた損害の賠償責任を免除する条項
(2)瑕疵(商品の欠陥)担保責任による事業者の責任の全部を免除する条項
2.消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項 (1)解約時における事業者の平均的な損害を超える違約金を請求する条項
(2)支払いが遅れた場合の年利14.6%を超える遅延利息を定める条項
3.消費者の利益を一方的に害する条項信義則に反して消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する条項
上記に当てはまる場合
勧誘された時の状況をよく思い出して、お近くの消費者センターへ。
あきらめなければ解約・支払い減額等が必ずできます。頑張って!
自分で契約解除を実行する場合
・消費者契約法チェックシート
・「契約取消しにおける内容証明のやりかた」
逐 条 解 説
消 費 者 契 約 法
【事 例 集】
平 成 1 2 年 9 月経済企画庁

※ 本事例集は、「逐条解説 消費者契約法」第2部に掲載された事例のみをまとめたものです。

【1】
第1章 総則(第1条−第3条)第2条(定義)

(事例2−1)
○ 公益法人が本業または副業のために行う取引公益法人は事業者であり、事業者が本業または副業のために行う取引は事業者として行うものであると判断される。

(事例2−2)
○ 宗教活動宗教法人については、法人にあたるため、事業者となる。また、教祖及び信者が行う宗教活動については、「事業=一定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行」の概念にあたれば事業となる。その上で、宗教法人等が行う宗教活動については、民法上の「契約」の概念に該当しない宗教活動については「消費者契約」にはあたらない。したがって、宗教活動に伴う喜捨や布施が、宗教法人に対する「贈与」(すなわち、契約)に当たるかどうかは、民法の解釈によって定まるものであって、本法の「消費者契約」の解釈によって定まるものではないし、宗教活動と裁判の関係について、特に変更を加えるものではない。

(事例2−3)
○ 内職商法いわゆる内職商法とは、例えば簡単な作業で高収入を得られるなど条件の良い内職を、ダイレクトメール等で広告して希望者を集め、内職のための材料や機械を高い金額で購入させるが、購入者は、その材料や機械を使って仕事をしても、技術不足等の理由をつけられて、もともと買い取るつもりがない業者に製品の買い取りを拒否され、収入を得ることができず、結局損をさせられるという商法であると考えられる。まず、内職商法その他における「内職」というシステム自体を考えると、内職の注文者と内職の請負人(注文者から内職を頼まれた個人)との関係は、一般的には労働法上における労働契約ではなく、民法上における請負契約であり、内職商法は労働契約にはあたらない(本法第12条を参照)。また、内職商法が本法の適用対象となるかどうかについては、内職の請負人が本法に規定する「事業者」となるか、それとも「消費者」となるかが問題になる。本法は民事ルールであるため、最終的には個別具体例に即し、司法の場において判断されるものであるが、いわゆる内職商法の中には、内職のために必要な材料や機械を購入させることを主な目的とし、その内職が客観的にみて実体がなく、事業であるとは認められないものがある。この場合、内職のための材料や機械を高い金額で購入する契約は「事業のため」の契約ではないこととなるため、本法における「消費者」に該当し、本法の適用範囲に入ると考えられる。また、その判断基準は「事業性」があるかどうかであり、また、ここでいう「事業」とは、「一定の目的をもってなされる同種の行為の反復継続的遂行」のことを指すが、「事業性」については、単に内職の回数や利益の存在によって判断するものではなく、それらをはじめとして、契約の段階における事業者の意図(本当に内職をさせる意図があったのか、それとも単に内職をさせることを口実にして内職のための材料や機械を高い金額で購入させる意図だったのか。前者であると認められた場合には、本法の問題ではなく債務不履行の問題となる。)などの諸々の要素を含めて、全体として事業とみなすことが適当であるか否かにより判断されるものと考える。

(事例2−4)
○ マルチ商法いわゆるマルチ商法(連鎖販売取引)とは、販売組織の統括者等が他の人を組織に加入させ、さらにその加入させた者に別の人を組織に加入させることを次々に行うことにより組織をピラミッド形に拡大していく商法であると考えられる。加入者が商品やサービスの再販売等を行う意思を持たず、自らの消費のためだけに当該商品やサービスの購入契約若しくは提供契約を締結する場合は、当該商品やサービスの購入契約若しくは提供契約は「事業としてでもなく、事業のためでもなく」なされる契約となるため、加入者は本法における「消費者」に該当し、販売組織の統括者等との取引は本法の対象になると考えられる。また、この取引では、加入者が再販売等を行う意思をもって販売組織に加入し、当該商品やサービスの購入契約若しくは提供契約を締結することが通常であり、他にもあっせん、委託形態もあるが、この場合には当該商品やサービスの購入契約若しくは提供契約は「事業として」なされる契約になると考えられる。したがって、加入者は本法における「事業者」に該当し、販売組織の統括者等との取引は本法の対象にならないこととなるが、最終的には個別具体例に即し、司法の場において判断されるものと考えられる。

(事例2−5)
○ フランチャイズ商法いわゆるフランチャイズ商法におけるフランチャイズ契約とは、本部と多数のチェーン加盟店からなる事業形態において、本部は加盟店に対して契約期間中、店舗運営に伴う商標使用権の許諾・経営ノウハウ及び経営指導を提供し、加盟店はその対価としてロイヤリティ−フィーを支払うという契約であると考えられる。本部については、本法における「事業者」に該当し、チェーン加盟店についても「事業のため」の契約であると考えられるため、本法における「事業者」に該当することとなるため、フランチャイズ契約については本法の対象とはならない。

(事例2−6)
○ モニター商法いわゆるモニター商法とは、一般的にはモニター(商品やサービスを業者から特別の条件で購入する代わりに、商品やサービスを実際に使用した上で得た情報を業者に報告する者)になってもらうことを条件に商品やサービスを特別に提供すると思わせて売りつける商法であると考えられる。この場合、モニター商法を行う業者については、一般的に本法の「事業者」に該当し、モニターについては、モニターが行うモニタリング自体には「事業」性がないと考えられる場合には、当該モニタリングのために商品やサービスを購入する契約は「事業のため」の契約ではないと考えられる。したがって、そのような場合のモニターは本法における「消費者」に該当し、本法の適用範囲に入ると考えられるが、いずれにしても本法は民事ルールであるため、最終的には個別具体例に即し、司法の場において判断されるものと考えられる。

(事例2−7)
○ 保証契約等個人との保証契約等は、原則として本法の対象となる。ただし、事業者間のリース契約に係る保証契約等においては、保証人等である個人が当該保証契約等を「自らの事業として又は自らの事業のため」に締結していると認められる場合には、本法の適用はないと考える。以上の見解に基づき、上記取引事例の保証人等である個人の属性別の本法の適用の有無を一般的に判断すると、以下のとおりと考える。・ 法人の経営者(代表取締役、取締役)や従業員等が、個人として、法人の負っている債務の保証人等となる保証契約等法人の経営者や従業員等は自らが事業主体となっているわけではないため、原則として本法における「消費者」に該当すると考えられる。したがって、この場合における保証契約等は消費者契約となる。
・ 個人事業者や共同事業者、従業員等が個人として、個人事業者の負っている債務の保証人等となる保証契約等基本的には・と同じだが、共同事業者については、当該保証契約等を「自らの事業として又は自らの事業のため」に締結していると認められる場合が多いと考えられるため、一般的には本法の適用はないと考えられる。・ 事業者間取引となる主契約に本法にいう不当条項が含まれており、その保証契約等が消費者契約となる場合リース契約(事業者間取引)と保証契約等(事業者・個人間取引)は別契約であり、保証契約等が消費者契約となる場合、その保証契約等の条項に本法の「不当条項」に該当する条項があるか否かを判断することになる(切り離して考える)。本法にいう「不当条項」が含まれている契約(事業者間取引・主契約)に係る保証契約等は、当該条項が主契約の内容である限り、その保証契約等に本法の適用があっても当該条項を理由とする請求は無効と判断されないと考える。ただし、保証契約等を構成する条項(保証契約等の内容に係る事業者と保証人個人間の取り決め)が「不当条項」に該当すれば、その条項は無効となる。

(事例2−8)
○ 介護サービス契約本法は民事ルールであるため、民法における契約のうち、本法における「消費者」と「事業者」との間で締結される契約であれば、取引の形態を問わず本法の対象となる。したがって、「要介護認定を受けた介護サービスの利用者」と「介護サービス事業者(注)」との間で締結される介護サービス契約についても、本法における「消費者」と「事業者」との間で締結される契約であるため、本法の対象となる)。
(注) 介護サービス事業者介護サービスを提供する指定居宅サービス事業者及び介護保険施設さらに、介護サービスの利用者とケアマネジャーとの関係については、要介護認定を受けた介護サービスの利用者が、介護サービス計画(ケアプラン)を作成する契約を、ケアマネジャー(ケアプラン作成事業者)と締結した場合についても、本法における「消費者」と「事業者」との間で締結される契約であるため、本法の対象となる。

(事例2−9)
○ 資格商法いわゆる資格商法とは、一般的には「受講するだけで資格が取れる」などと言って、公的資格や民間資格を取得するための講座を受けるよう、強引に勧誘する商法であると考えられる。資格商法を行う業者については、本法の「事業者」に該当する。一方、勧誘を受ける側については、その資格が自らの「事業のため」のものである場合は、本法の「事業者」に該当するため、本法の対象とはならない。しかし、その資格が自らの「事業のため」のものでない場合は本法における「消費者」に該当するため、本法の対象となる。いずれにしても、本法は民事ルールであるため、最終的には個別具体例に即し、司法の場において判断されるものと考える。(参考) 資格商法における取扱い(契約の相手は事業者とする。また、あくまでも抽象的に試みた仕分けであり、最終的には個々の具体例に即し、司法の場において判断されるものである。)契約締結の動機主体の消費者取扱い契約か・自分で事業を行っている事業者が、業務上必要な資格を取得するため、自分で受講の申込みをした。事業者×⇒ 事業のための契約・従業員が雇用主から業務遂行のため資格をとることを要求されたため、自分で受講の申込みをした。⇒ 労働のための契約(∵労働契約の労働は「事業」消費者○ではないため、労働のための契約は「事業のため」の契約には当たらない。)(本法第12条参照)・従業員が業務遂行のために資格をとることが必要と自主的に判断したため、自分で受講の申込みをした。消費者○⇒ 労働のための契約(∵労働契約の労働は「事業」ではないため、労働のための契約は「事業のため」
の契約には当たらない。)(本法第12条参照)
・将来その資格をもって独立開業する意図をもって自分で受講の申込みをした。(例:将来弁護士になろうという者が弁護士資格に消費者○関する講座を受講する場合。)⇒ 未だ事業を行っていない段階のため、「事業のため」の契約とはならない。
・将来その資格をもって独立開業する意図はなく、また業務遂行のため資格をとることが必要と雇用主から要求されたわけでなく、業務遂行のため資格を消費者○とることが必要と自主的に判断したわけでもないが、趣味の一環として自分で受講の申込みをした。

(事例2−10)
○ 証券の個人投資家証券の個人投資家についてはまず、証券取引の原資の性格や目的を客観的に判断して、個人投資家の行っている「事業として又は事業のため」に行われる取引かどうかによって、本法における「事業者」であるか「消費者」であるかを決めることとなる。すなわち、証券取引の収益が再投資や生計の原資の全部又は重要な一部分となるような場合は、個人投資家が「事業として」行う取引であると考えられ、したがって、この場合の個人投資家は本法における「事業者」となる。また、個人が自ら行っている事業の事業資金の運用手段として証券取引を行う場合は、「事業のため」に行う取引であり、この個人は本法における「事業者」となるが、いずれにしても、本法は民事ルールであるため、最終的には個別具体例に即し、司法の場において判断されるものと考える。

【2】
第2章 消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し(第4条−第7条)[1]
第4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)I 第1項・第2項

(事例4−1)
ヒールの硬い革靴が欲しくて靴屋で探していた。店員が「この靴はイタリア製なのでヒールが硬いですよ。」と勧めたので購入したが、実際に道路を歩いてみると、以前自分が履いていたものに比べてさほど硬いと思えなかった。
(考え方)
「ヒールが硬い」と告げることは、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象にはならない。

(事例4−2)
魚屋さんの店頭で「新鮮だよ」と言われたので魚を買ったが、たいして新鮮であるとは思えなかった。取り消したい。
(考え方)
「新鮮である」と告げることは、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象にはならない。

(事例4−3)
住宅販売において、「居住環境に優れた立地」という表現を用いたが、当該住宅の購入者にとって、さほど優れているとは感じられなかった。
(考え方)
「居住環境に優れた立地」という表現自体は、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象にはならない。他に「当社のマンションは安心」と表現した場合も同様の例と言える。

(事例4−4)
住宅建設用の土地の売買において、「近くにがけがありますが、この土地なら全く問題はありません。」との説明を信じて契約した後に、その土地は、がけ地に接近しているためそのままでは考えている通りの住宅を建設することができない上に、擁壁の設置も必要であることがわかった。
(考え方)
「この土地なら全く問題はありません。」との説明は、住宅建設用の土地の売買契約の締結に際しては、「この土地に住宅を建設するに当たって特段の障害はない」ことを告げたものと考えられるから、がけが接近していて考えているとおりの住宅を建設することができないこと、また住宅を建設するには擁壁の設置が必要であること等の場合には、「事実と異なることを告げること」にあたり、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められることもあり得る。

(事例4−5)
弁護士が「必ず裁判に勝ちます」と言ったのに裁判に勝てなかった。
(考え方)
裁判に勝つか負けるかは、契約締結段階でその達成が可能か否かを見とおすことが契約の性質上そもそも不可能であるため、「裁判に勝ちます」と告げても一般的には「事実と異なることを告げること」には当たらず、第4条第1項第1号の要件に該当しないので取消しは認められない。また、「将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」ではなく、第4条第1項第2号の要件にも該当しないので取消しは認められない。

(事例4−6)
「この映画を見れば絶対に感動しますよ。」と勧誘されたが、感動しなかった。
(考え方)
「感動する」と告げることは、主観的な評価であって、客観的な事実により真実又は真正であるか否かを判断することができない内容であるので、「事実と異なること」の告知の対象にはならない。また、「将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」ではなく、第4条第1項第2号の要件にも該当しないので取消しは認められない。

(事例4−7)
建築請負契約において、基礎材は杉であると説明されて契約を締結し、仕様書にもそのように書かれているが、実際には米栂であった。
(考え方)
「基礎材は杉」ということは債務の内容になっていると考えられる。したがってこの事例は債務不履行の問題であり、「事実と異なること」を告げる行為には当たらない。

(事例4−8)
「○○日には届く」と言われたので契約したが、荷物が○○日には届かなかった。
(考え方)
「○○日には届く」ということは債務の内容になっていると考えられる。従ってこの事例は債務不履行の問題であり、「事実と異なること」を告げる行為には当たらない。

(事例4−9)
「ハーバービュールームに泊まる香港4日間」というツアータイトルに魅力を感じ、ツアーに申し込んだ。旅行代理店での説明でもハーバービュールームを手配するとのことであった。しかし、実際にホテルに行ってみると、窓からは街の景色しか見えず、海は全く見えなかった。
(考え方)
「ハーバービュールームに泊まる」ということは債務の内容になっていると考えられる。したがってこの事例は債務不履行の問題であり、「事実と異なること」を告げる行為には当たらない。

(事例4−10)
92年度初登録の輸入中古車。97年に知人の紹介で購入したが、98年3月に整備したら事故車だと分かった。走行距離7万2000キロ、現状渡しで購入。事故車ではないことを口頭で確認して購入。
(考え方)
重要事項(事故車か否か)について、真実と異なることを告げている(事故車ではないと告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−11)
新聞の折込チラシを見て築5年の中古の一戸建て住宅が気に入ったので、業者から「築5年である」旨の説明を受けて、売買契約を締結した。念のため登記簿を調べてみると、実際には築10年であることが判明した。
(考え方)重要事項(経過年数)について、真実と異なることを告げている(築5年と告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−12)
「当センターの派遣する家庭教師は東大生です。」と勧誘されたが、当該家庭教師が東京大学以外の東京○○大学の学生であった。
(考え方)
「東大生」という略称は一般に東京大学の学生を意味するものであり、東京大学以外の東京○○大学の学生を「東大生」と告げることは、重要事項(家庭教師の出身大学)について、「事実と異なることを告げること」にあたるので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−13)CS放送の受信契約をした。いつでもやめられるという説明だったので申込んだのだが、4年以内は解約できないということが分かった。4年も解約できないと分かっていれば申込まなかった。説明と違っているのでやめたい。
(考え方)
重要事項(解除権の有無)について、真実と異なることを告げている(いつでもやめられると告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−14)建築請負契約において、事業者から「当社の住宅は雨漏りしません。」との説明を受けて契約した。
(考え方)
雨漏りするか否かといった住宅の性能は「将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」にはあたらず、第4条第1項第2号の要件に該当しないので取消しは認められない。

(事例4−15)
「当校に通えば、TOEIC 800点も夢じゃない。」と勧誘されて、英語学校に通うことにしたが、TOEICの得点が 800点を超えることはできなかった。
(考え方)
「将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」にはあたらず、第4条第1項第2号の要件に該当しないので取消しは認められない。また「TOEIC 800点も夢じゃない。」と告げることは断定的判断を提供することにはあたらず、第4条第1項第2号の要件に該当しないので取消しは認められない。

(事例4−16)
証券会社の担当者に電話で勧誘されて、外債を購入した。円高にならないと言われたが円高になった。
(考え方)
将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項(円高になるか否か)について、断定的判断を提供(円高にならないと告げたこと)しているので、第4条第1項第2号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−17)
借金して契約しても10年後に利益が出ると言われて、一時払いの終身保険に加入したが、配当が悪く損害が出る。銀行から約 200万円借りた。その返済総額は293万円だが、10年後の満期金が 360万円になると勧められた。しかし、予定通りの配当が出なくなり、利息の方が高くなった。
(考え方)
将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項(利益が出るか否か)について、断定的判断を提供(借金して契約しても10年後に利益が出ると告げたこと)しているので、第4条第1項第2号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−18)
過去の数値データ等を示しながら「今まで元本割れしたことはないので、今後も元本割れしないだろう。」と言われたので金融商品を契約したが、元本割れした。
(考え方)
「今後も元本割れしないだろう。」と告げることは断定的判断を提供することにはあたらず、第4条第1項第2号の要件に該当しないので取消しは認められない。

(事例4−19)
(例えば、隣接地が空き地であって)「眺望・日当たり良好」という業者の説明を信じて中古マンションの2階の一室を買った。しかし半年後には隣接地に建物ができて眺望・日照がほとんど遮られるようになった。業者は隣接地に建設計画があると知っていたにもかかわらずそのことの説明はなかった。
(考え方)
消費者の利益となる旨([例えば、隣接地が空き地であって]眺望・日当たり良好)を告げ、不利益となる事実(隣接地に建物ができて眺望・日照が遮られるようになること)を故意に告げていないので、第4条第2項の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−20)
「医療保障を充実した女性向けの保険」と勧められ定期付終身保険の転換契約をしたが、損な保険に変えられた。元の保険は8年前父が契約したものであり、1500万円の終身保険だったが、掛金は同額で保障は2500万円になるほか、収入保障と女性特有医療保障が付くと勧められた。契約後、別の保険会社の人に相談したところ、終身保険部分が減額され、予定利率も低いものになったことが分かった。
(考え方)
消費者の利益となる旨(掛金は同額で保障は2500万円になるほか、収入保障と女性特有医療保障が付く)を告げ、不利益となる事実(終身保険部分が減額され、予定利率も低いものになったこと)を故意に告げていないので、第4条第2項の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−21)
デジタルCSチューナーセット(デジタルCSチューナー、CSアンテナ)を買えばすぐに某CS放送が見られると思ったのに、見られない。取付け機材が必要なことはカタログにも書いていないし、販売店でも説明がなかった。
(考え方)
消費者の利益となる旨を告げておらず、第4条第2項の要件に該当しないので取消しは認められない。

(事例4−22)
「先週の価格の2割引」と宣伝していたので携帯電話を買ったが、2週間後に同じ商品が半値となった。店員は今後更に値段が下がることを知っていたが、これを告げなかった。
(考え方)
消費者の利益となる旨(先週の価格の2割引)を告げているが、「当該告知により当該事実(今後更に値段が下がること)が存在しないと消費者が通常考えるべきもの」とは言えず、第4条第2項の要件に該当しないので取消しは認められない。

(事例4−23)
「月額3000円で、インターネットが7500円分、37。5時間も利用できる」と説明されたので、電話会社の通信料の割引サービスを契約した。ところがパソコンのタイマーで時間を管理しながらこのプランを利用したところ、約35時間しか利用していないのに、6100円の請求がきた。電話会社に問い合わせると、「たとえ通信時間が1秒でも、3分までかけたのと同じ1回10円が課金されるシステムである。3000円で37。5時間通信できるのはぶっ通しで利用したときや、全ての通信がジャスト3分単位でなされたときだけである。」と説明された。1秒の通話を 750回かけると、実際は12。5分しか利用していないのに、7500円分通信したことになる仕組みという。37。5時間利用できるとされているのに、実際は12。5分しか使えないケースもあるのは問題だ。
(考え方)
消費者の利益となる旨(月額3000円で、インターネットが7500円分、37。5時間も利用できる)を告げ、不利益となる事実(3000円で37。5時間通信できるのはぶっ通しで利用したときや、全ての通信がジャスト3分単位でなされたときだけであること)を故意に告げていないので、第4条第2項の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−24)
高額な教材を購入させられた。中1の子供用の教材。夜中の12時半まで説明を聞かされた。「子供が寝るので帰ってください」と言っても帰らなかった。
(考え方)
消費者が、その住居から退去すべき旨の意思を示した(「子供が寝るので帰ってください」と言ったこと)にもかかわらず、事業者が退去しなかったので、第4条第3項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

III 第3項
(事例4−25)
訪問販売で整水器をすすめられ、何度も断ったのに長時間居座り、帰らないので仕方なく契約した。「高血圧、心臓肥大、甲状腺異常、坐骨神経痛等の治療中で医療費がかかり、払えない。余命いくばくもない。」などと説明し、何度も断ったが、5時間近くも居座り帰らないので、体の具合も悪くなり力尽きて契約した。
(考え方)
消費者が、その住居から退去すべき旨の意思を示した(何度も断っていた)にもかかわらず、事業者が退去しなかったので、第4条第3項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−26)
健康器具の販売で、販売員が自宅で3時間にわたり説明を行った。途中でもう帰ってほしいというそぶりを示したが、結局困惑して購入してしまった。
(考え方)
帰ってほしいというそぶりが、身振り手振りで「帰ってくれ」「契約を締結しない」という動作をする等、事業者にも明確に意思が伝わるレベルのものであれば退去すべき旨の意思を示したことにあたり、第4条第3項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。帰ってほしいというそぶりが、事業者にも明確に意思が伝わるレベルのものでなければ退去すべき旨の意思を示したことにはあたらず、第4条第3項第1号の要件に該当しないので、取消しは認められない。

(事例4−27)
行政書士講座の電話勧誘があり断ったが、書類が送付されて「契約しないと給料を差し押さえる。」と言われ、契約した。
(考え方)
電話で勧誘することは、住居から「退去しないこと」にも、勧誘をしている場所から消費者を「退去させないこと」にも該当せず、第4条第3項の要件に該当しないので取消しは認められない。ただし、民法の強迫にあたる可能性や、訪問販売等に関する法律のクーリング・オフ(8日以内)の規定により救済される可能性がある。

(事例4−28)
来訪した販売員から勧誘を受け、最初はあまり興味がなかったので「(購入は)考えていません。」と伝えたが、販売員がなお説明を続けるのを聞いているうちに興味が強まり、最終的に納得したうえで購入した。
(考え方)
最終的に納得したうえで購入したのであれば、困惑したために契約したとは言えず、第4条第3項の要件に該当しないので取消しは認められない。

(事例4−29)
営業所で13時から24時まで勧誘され、頭がボーっとして帰りたくて契約書にサインをした。帰りたいと言ったのに帰してくれなかった。普通の状態だったら契約はしなかった。
(考え方)
消費者が勧誘の場所から退去する旨の意思を示した(帰りたいと言った)にもかかわらず、事業者が消費者を退去させなかったので、第4条第3項第2号の要件に該当し、取消しが認められる。、

(事例4−30)
アポイントメントセールスで、長時間の勧誘を受け、渋々高額なパソコンを契契約させられた。友人宅に電話があり、飛行機やホテルのチケットが格安になる会員の話だというので、2人で某会館へ出かけた。一室で、夜7時から2時間半。断っているのにしつこく、今度はハンバーガーショップに連れて行かれ、午前1時半まで。結局6時間半にわたる勧誘に朦朧として、契約書にサインした。数人に囲まれ、帰してもらえない状況だった。
(考え方)
消費者が勧誘の場所から退去する旨の意思を示した(断っている)にもかかわらず、事業者が消費者を退去させなかったので、第4条第3項第2号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−31)
店頭で「今日の生鮮食品はおいしいよ。買わなきゃ損だよ。」と勧誘された。いったんは断って立ち去ろうとしたが、「今日限りのバーゲン。買わなきゃ損だ。」と連呼され帰りにくい雰囲気になり購入してしまった。
(考え方)
「今日限りのバーゲン。買わなきゃ損だ。」と連呼することは、勧誘をしている場所から消費者を「退去させないこと」にはあたらず、第4条第3項第2号の要件に該当しないので取消しは認められない。

IV 第4項
(事例4−32)
「A社のOS版のソフトです」と説明されたので購入したソフトウェアだが、B社のOS版のソフトウェアだったので、自宅のパソコンでは使用できなかった。
(考え方)
一般平均的な消費者であれば、ソフトウェアが自分の使用しているパソコンで使用できなければ購入を差し控えると考えられる。したがって「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」に当たり、重要事項である。重要事項について、真実と異なることを告げている(A社のOS版のソフトですと告げたこと)ので、第4条第1項第1号の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−33)
英会話教室の勧誘において「当校の講師は全員アメリカ人です。」と告げられたが、イギリス人の講師がいた。
(考え方)
英会話教室の契約において、講師がどこの国の人かは英会話教室の契約の質にあたり、イギリス人であるものをアメリカ人であると告げることは「事実と異なることを告げること」に該当するが、「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」ではないので、第4条第4項の要件に該当せず、取消しは認められない。ただし、日本語を母国語とする日本人であるものをアメリカ人であると告げることは「消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきもの」と考えられるので、本法第4条第1項の要件に該当し、取消しが認められる。

(事例4−34)
自宅を訪問してきたセールスマンに、「今使っている黒電話は使えなくなる。毎月1000円払えばよいので新しいものと交換するように。」と言われて、新しい電話機を契約した。
(考え方)
「今使っている黒電話は使えなくなる。」と告げることは「事実と異なることを告げること」にあたるが、今使っている黒電話は「当該消費者契約の目的となるもの」ではなく、第4条第4項の要件に該当しないので取消しは認められない。ただし、民法の詐欺にあたる可能性がある。

(事例4−35)
エステサロンで「このままだと2、3年後には必ず肌がボロボロになる。」と言われ契約した。解約したいが、できない。
(考え方)
「将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項」にはあたらず、第4条第1項第2号の要件に該当しないので取消しは認められない。また、自分の肌は「当該消費者契約の目的となるもの」ではなく、第4条第4項の要件に該当しないので取消しは認められない。ただし、訪問販売等に関する法律のクーリング・オフ(8日以内)や中途解約の規定により,消費者は契約を解除することができる。

IV 第5項
(事例4−36)
○ 割賦購入あっせん・ 割賦購入あっせん業者と民法上の善意の第三者割賦購入あっせん業者は、消費者と販売業者の間の売買契約が有効であり、したがって、消費者が販売業者に対して売買代金債務を負担していることを前提に、これを立替払することによって消費者に対する求償権を取得しようとする者である。通常割賦購入あっせん業者は、消費者と販売業者の間の意思表示の瑕疵等について存知しないことから、民法上の善意の第三者に該当する(勿論、割賦購入あっせん業者が当該売買契約に係る意思表示の瑕疵等について了知している場合もあり、その場合は当然悪意の第三者である。)。
(参考) 割賦購入あっせんの構成販売業者
1 売買契約割賦購入あっせん業者消費者
2 加盟店契約に基づく立替払
3 立替払契約に基づく割賦金支払
・ 民法上の第三者効規定と割販法第30条の4の関係このような中、昭和59年の割販法改正において同法に第30条の4の規定(抗弁権の接続)が新設されたが、これは、割賦購入あっせん業者の善意・悪意にかかわらず消費者は割賦購入あっせん業者に対して、販売業者に対して生じている事由を主張して「割賦代金の支払を停止」することができる旨を定めたものである(ただし、これはあくまでも「割賦代金の支払の停止」の効果を認めたものであって、割賦購入あっせん業者に対する既払の割賦代金の返還請求の効果までをも認めたものではない。)。その意味において、割販法第30条の4の規定は、当該売買契約の取消し等の抗弁事由のいかんを問わず、民法とは別個の要件・効果の下で、消費者の割賦購入あっせん業者への対抗を認めたものであって、民法上の規定から独立した消費者保護規定である。
・ 本項と割販法第30条の4の関係本項は民法第96条第3項にならい、本法第4条第1項から第3項までの規定による消費者の契約取消権に対し、善意の第三者不対抗規定を設けている。通常、割賦購入あっせん業者は、善意の第三者であるため、本項により、本法第4条第1項から第3項までの規定に基づく取消しは割賦購入あっせん業者に対抗できない。しかしながら、割販法第30条の4の規定は、販売業者に対して生じている事由であれば、そのいかんを問わず、これを割賦購入あっせん業者に対して主張して割賦代金の支払を停止することを認めているのであるから、本項の規定にかかわらず、割販法第30条の4に基づいて本法第4条第1項から第3項までの規定に基づく取消しを割賦購入あっせん業者に対して主張し、割賦代金の支払を停止することは可能である。なお、割販法第30条の4の規定は、消費者が悪意の割賦購入あっせん業者に対して本法第4条第1項から第3項までの規定に基づく取消しの効果を主張することを妨げるものではなく、本法第4条第1項から第3項までの規定とは、別個独立の消費者保護規定であるから、本法第11条第2項の「別段の定め」にはあたらない。

(事例4−37)
○ 第三者への求償について例えば、商品の売買に関して、本法第4条第1項第1号に規定する重要事項について事実と異なる情報をメーカー等から提供された販売業者が、その情報を真実であると誤認し、その情報に基づいて販売業者と消費者との間で締結された商品売買契約(すなわち消費者契約)が、消費者から本法第4条第1項第1号の規定に基づいて取り消された場合、本法においては、当該契約を取り消された販売業者が、当該消費者契約について第三者であるメーカー等に求償することについて、特別の措置は講じていない。したがって、販売業者としては現行民法に則り、次のような方法によって解決を図ることとなる。通常、メーカー等が販売業者に対して、消費者にとって重要事項になるようなことを間違いなく説明することは、両当事者間におけるメーカー等の債務の内容になっていると考えられるので、販売業者は民法第 415条の規定により債務不履行に基づく損害賠償を請求することとなる。この場合において、メーカー等に責に帰すべき事由がないことを立証する責任はメーカー等にあり、したがって、販売業者はメーカー等の故意又は過失について立証責任を負うものではない。その際、メーカー等が本法の重要事項に該当する事項について事実と異なることを告げた場合は、過失と評価されていることが多いのではないかと考えられる。なお、仮に過失がないと評価される場合(いわゆる無過失の場合)については、販売業者はメーカー等に対して民法第 415条或いは第 709条に基づく損害賠償を請求できないこととなるが、通常の場合には消費者は販売業者に対して不当利得の返還義務があり当該消費者契約によって得た商品を返却するほか、その使用収益も金銭で返還する義務を負うこととなる(損害賠償のように一方的に販売業者が金銭支払義務を負うわけではない。)。

[2] 第5条(媒介の委託を受けた第三者及び代理人)
I 第1項
(事例5−1)
○ 宣伝契約既に同じ商品・サービスについて契約をした顧客に、「その商品・サービスの宣伝を依頼し、成約した場合には、紹介料を支払う」という契約をした場合には、「媒介の委託」に当たるかという問題を考えると、まず、「媒介」とは、ある人と他の人との間に法律関係が成立するように、第三者が両者の間に立って尽力することであり、「両者の間に立って尽力する」とは通常、契約締結の直前までの必要な段取り等を第三者が行っており、事業者が契約締結さえ済ませればよいような状況と考えられる。この前提に立って考えると、事業者からその扱っている商品・サービスの宣伝についての依頼を受けた顧客が、他の消費者に対して、当該商品・サービスの宣伝を行うことにより、事業者と他の消費者との間における当該商品・サービスの購入契約を成約させるような場合は、通常「媒介の委託」に当たらないと考えられる。ただし、いずれにせよ、最終的には個別具体例に即し、司法の場において判断されることとなる。

(事例5−2)
○ 消費者契約の勧誘行為の委託事業者が第三者に対して消費者契約の勧誘行為をすることを委託した場合、これが当然に媒介の委託をしたことにはならない。事業者の委託を受けて勧誘した者がした行為の場合については、まず「媒介」に当たらない「勧誘」とは、そもそも如何なる行為であるかという問題があり(果たして「尽力」しない程度の勧誘はあり得るかという問題。)、仮にそのような場合があるとして、媒介に当たらない程度の勧誘という行為のみによって、取消しという効果を生じさせることによる他の規定による取消し原因とのバランスの問題もある。また、現実に行われている取引に与える影響に比べて妥当であるかという政策判断の問題、更には、取消し原因とする必要があるような深刻なトラブル事例が果たして顕著に存在しているのかという問題もある。したがって、媒介に当たらない程度の勧誘という行為のみによって、消費者が消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をした場合については、取消し原因を与える必要はないと考える。

(事例5−3)
○ 生命保険募集生命保険会社が、消費者に対して保険契約の締結の媒介を行う「保険募集行為」(保険契約の締結に到るまでの勧誘行為も含む。)の委託、すなわち「保険募集の委託」をする場合。当該委託を受ける者は、生命保険会社との間で委託契約を締結している者であり、いわゆる代理店や、営業職員の一部がこれに該当する。

(事例5−4)
○ 携帯電話サービス契約携帯電話事業者が、携帯電話販売会社に対して、携帯電話機器を販売するとともに、消費者との携帯電話サービス契約の締結について業務委託(勧誘を含む媒介を委託する契約を締結すること)をし、業務委託を受けた携帯電話販売会社が更に他の携帯電話販売会社に対して、携帯電話機器を販売するとともに消費者との携帯電話サービス契約の締結について業務委託をし、その業務委託を受けた者が、消費者に対して携帯電話機器を販売をする際に、携帯電話サービス契約の締結について勧誘を含む媒介をする場合。

II 第2項
(事例5−5)
○ 消費者の代理人のケース未成年者が法律行為をすることができない財産の管理・処分に関し、親権者たる親が未成年者の法定代理人として事業者と契約を締結する際に、事業者の不適切な勧誘行為に影響されて法定代理人である親が未成年者の欲求の実現に適合しない契約を締結した場合。→未成年者は事業者との間の契約を取り消すことができる。

(事例5−6)
○ 事業者の代理人のケースある取引において、事業者の代理人たる代理商が消費者に対して行った不適切な勧誘行為の影響を受けたことによって、消費者が自らの欲求の実現に適合しない契約を締結した場合。→事業者は、消費者が望めば、消費者との間の契約を取り消されることになる。

(事例5−7)
○ 消費者の代理人が弁護士等の事業者である場合消費者の代理人が弁護士等の事業者である場合には、消費者と事業者との間「情報・交渉力の格差」があるとはいえないので、適用するのは適当ではないのではないかという考え方もあるが、本法第5条第2項においては、消費者の代理人は消費者とみなしている(この考え方は民法と同じである。)。すなわち、消費者の代理人である弁護士等は、消費者から消費者契約の締結について与えられた代理権の範囲内、いわば消費者のコントロール下において消費者の代理をすることができるのであり、その意味で弁護士等が消費者の代理人である場合も消費者として取り扱うことが適切であると考えられるため、消費者の代理人が本法第4条に該当する行為により契約を締結した場合には、消費者は取り消すことができるものとしている。

(事例5−8)
○ 本法と不動産、証券取引等との関係
<不動産、証券取引等共通>
・ 媒介について1 売買契約の当事者の一方との契約に基いて媒介する場合ア 売買契約の当事者が事業者と消費者である場合
1) 事業者との契約に基いて媒介するケース不動産会社が、事業者の委託に基いて本法第4条に該当する行為を消費者に対して行った場合には、事業者と消費者との間の売買契約は取消しうる。一方、不動産会社と事業者との間の媒介契約は、本法の対象ではないので、本法に基づいて取り消されることはない。消売買契約(消費者契約)事費業者者↑不動媒介契約産会社
2) 消費者との契約に基いて媒介するケース不動産会社と消費者との間の媒介契約に関して本法第4条に該当する行為を行った場合には、消費者と不動産会社との間の媒介契約は取消しうる。事売買契約(消費者契約)消業費者者↑不動媒介契約産会(消費者契約)社イ 売買契約の当事者が消費者と消費者である場合不動産会社が本法第4条に該当する行為を消費者Aに対して行った場合には、消費者Aと消費者Bとの間の売買契約は、本法の対象ではないので、本法に基づいて取り消されることはない。一方、不動産会社が、媒介契約に関して本法第4条に該当する行為を行った場合には、消費者Bと不動産会社との間の媒介契約は取消しうる。消売買契約消費費者 A者 B↑不動媒介契約産会(消費者契約)社2 売買契約の双方との契約に基いて媒介する場合ア 一つの不動産会社が媒介する場合不動産会社が、事業者の委託に基いて本法第4条に該当する行為を消費者に対して行った場合には、事業者と消費者との間の売買契約は取消しうる。不動産会社が、消費者との媒介契約に関して本法第4条に該当する行為を行った場合には、消費者と不動産会社との間の媒介契約は取消しうる。不動産会社が、事業者との媒介契約に関して本法第4条に該当する行為を行った場合でも、事業者と不動産会社との間の媒介契約は本法の対象ではないので、本法に基づいて取り消されることはない。事売買契約(消費者契約)消業費者↑者不媒介契約動媒介契約産会(消費者契約)社イ 別々の不動産会社が売買契約の当事者それぞれとの契約に基いて媒介する場合不動産会社Aが、事業者の委託に基いて本法第4条に該当する行為を消費者に対して行った場合は、事業者と消費者との間の売買契約は取消しうる。不動産会社Bが、媒介契約に関して本法第4条に該当する行為を行った場合は、消費者と不動産会社Bとの間の媒介契約は取消しうる。不動産会社Aが、媒介契約に関して本法第4条に該当する行為を行った場合も、事業者と不動産会社との間の媒介契約は本法の対象ではないので、本法に基づいて取り消されることはない。
事売買契約消業費者↑(消費者契約)↑者不不媒介契約動動媒介契約産産会会(消費者契約)社社AB<証券取引>・ 投資信託の取引について証券会社が委託会社の代理人として、受益証券の売買契約を締結する。したがって、証券会社が本法第4条に該当する行為を行った場合には委託会社と消費者との間の売買契約は取消しうる。受信託契約委委任契約証売買契約消託託券費会会(代理含む)会(消費者契約)者社社社
【3】
第3章 消費者契約の条項の無効(第8条−第10条)
[1]
第8条(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
I 第1項第1号−第4号
(事例8−1)
いかなる理由があっても一切損害賠償責任を負わない。

(事例8−2)
事業者に責めに帰すべき事由があっても一切損害賠償責任を負わない。

(事例8−3)
事業者に故意または過失があっても一切損害賠償責任を負わない。

事例8−1から8−3は、損害賠償責任の「全部を免除する条項」であるため、第8条第1項第1号、第3号に該当し無効となる。条項が無効となった結果、損害賠償責任については、何の特約もなかったこととなり、事業者は民法等の原則どおり損害賠償責任を負うこととなる。当然のことながら、「いかなる理由があっても一切損害賠償責任を負わない」という特約が無効となっても事業者は、「いかなる理由があっても一切損害賠償責任を負う」ことになるわけではない。そもそも民法第 415条、第 709条等の規定に照らし、そもそも損害賠償責任を負わないようなケースであれば、損害賠償責任を負うことはない。

(事例8−4)
事業者は、天災等事業者の責に帰すべき事由によらない損害については賠償責任を負わない。事業者の責めに帰すべき事由がない場合には、事業者はそもそも債務不履行や不法行為に基づく損害賠償責任を負うことはない。この事例は、本来負うことがない責任を負わないということを確認的に定めたものと考えられるが、このような条項は無効とはならない。(ただし、事業者が金銭債務を負っている場合には不可抗力による抗弁はできない。)

(事例8−5)
いかなる理由があっても事業者の損害賠償責任は○○円を限度とする。

(事例8−6)
事業者は通常損害については責任を負うが、特別損害については責任を負わない。

事例8−5のように損害賠償責任の限度を制限する条項は、「一部を免除する条項」である。また、事例8−6も損害賠償額の上限を通常損害の額としていると考えられ「一部を免除する条項」にあたる。このとき事業者に故意または重大な過失がある場合には、第8条第1項第2号、第4号に該当し無効となる。故意または重大な過失がない場合には、無効とはならない。また、損害賠償責任の一部を免除する条項としては、損害賠償責任の90%を免除するような条項も考えられるが、これも全部を免除する条項ではないため、第8条第1項第1号、第3号には該当しない。しかし、事業者が損害賠償責任の90%を免除する旨の条項は、民法第 416条の適用による場合よりも消費者の権利を制限することによって、民法の信義則に反する程度に消費者の利益を一方的に害すると考えられるものについては、第10条に該当し無効となり得る。なお、条項が無効となった結果、損害賠償額の限度については最初から何の特約もなかったこととなり、事業者は民法第 416条の規定に従い責任を負うこととなる。民法においては、債務不履行についての損害賠償の範囲は第 416条(判例では、不法行為にも類推適用される。)により規定された相当因果関係の法理によって定められている。その趣旨は一般に、現実に生じた損害のうち、当該事案の場合に特有の損害を除いた、当該債務不履行により通常生ずべき損害である「通常損害」を原則とし、特別の事情を予見し得た場合のみ、その特別の事情により生じた「特別損害」をも対象とする、と解されている。

(事例8−7)
事業者に故意または重大な過失がある場合を除き、損害賠償責任は○○円を限度とする。この条項は、「一部を免除する条項」であるが、事業者に故意または重大な過失がある場合を除外しているため、第8条第1項第2号、第4号には該当せず、無効とはならない。

(事例8−8)
宿泊客がフロントにお預けになった物品又は現金並びに貴重品について滅失、毀損等の損害が生じたときは、それが不可抗力である場合を除き、当ホテルは、その損害を賠償します。ただし,現金及び貴重品について、当ホテルがその種類及び価額の明告を求めた場合であって、宿泊客がそれを行わなかったときは、当ホテルは○○円を限度としてその損害を賠償します。(ホテル宿泊契約)この条項は、「一部を免除する条項」に当たるが、商法第 595条では、「貨幣、有価証券其他ノ高価品ニ付テハ客カ其種類及ヒ価額ヲ明告シテ之ヲ前条ノ場屋ノ主人ニ寄託シタルニ非サレハ其場屋ノ主人ハ其物品ノ滅失又ハ毀損ニ因リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任セス」とされており、商法の任意規定に基づく債務不履行責任を制限しているとはいえないため、第8条第1項第2号には該当せず、無効とはならない。

(事例8−9)
事業者は、人的損害については責任を負うが、物的な損害については一切損害賠償責任を負わない。人的損害については責任を負うが、物的損害については責任を負わないとする条項は、物的損害のみが生じた場合には、一切損害賠償しないこととなるため、「全部を免除する条項」にあたる。したがって、第8条第1項第1号、第3号に該当し無効となる。

(事例8−10)
消費者が事業者に故意・過失があることを証明した場合には損害賠償責任を負う。証明責任を転換する条項は、第8条には該当しない。ただし、証明責任を法定の場合よりも消費者に不利に定める条項(例えば民法 415条の債務不履行責任に関し、事業者の「責に帰すべき事由」を消費者に証明させる条項)は、第10条に該当し無効となり得る。
II
第1項第5号・第2項
(事例8−11)
事業者は、商品に瑕疵があっても、一切損害賠償、交換、修理をいたしません。第8条第1項第5号に該当し無効となる。無効となった結果、損害賠償責任については最初から何の特約もなかったこととなり、事業者は民法第 570条に基づく損害賠償責任を負うこととなる。

(事例8−12)
1ヶ月以内に死亡した場合は、代犬をお渡ししますが、返金には応じません。(ペットの販売の例)瑕疵のない物を提供することとしているので、第8条第2項第1号に該当し、無効とはならない。

(事例8−13)
○ リース標準契約書の例第15条 (第1項 略)
2 物件の規格、仕様、品質、性能その他に隠れた瑕疵があった場合並びに物件の選択または決定に際して乙(賃借人)に錯誤があった場合においても、甲(賃貸人:リース業者)は、一切の責任を負いません。
3 前2項の場合、乙は売主に対し直接請求を行い、売主との間で解決するものとします。また、乙が甲に対し書面で請求し、甲が譲渡可能であると認めてこれを承諾するときは、甲の売主に対する請求権を乙に譲渡する手続をとるなどにより、甲は乙の売主への直接請求に協力するものとします。(リース業者、サプライヤー間の標準注文請書)第5条 物件に関する瑕疵担保、期間内保証、保守サービスその他売主の便宜供与または義務の履行については、売主が借主に対して直接その責任を負います。また、売主が自ら責任を負うべき事由による物件の引渡遅延または引渡不能によって、借主に損害を与えたときも同様とします。
リース事業者は、消費者との契約においては瑕疵担保責任を免責しているが、サプライヤーとの間の売買契約において、サプライヤーが直接瑕疵担保責任を負うこととされており、第8条第2項第2号に該当するため無効とはならない。
(事例8−14)
ソフトウェアの瑕疵については交換・修補・代金返還のいずれかにより対応する。(ソフトウェアの使用許諾契約の例)ソフトウェアの瑕疵については2・「○ 瑕疵担保責任について」・を参照。この考え方からすると、ソフトウェアの使用許諾契約が有償契約である場合には、ソフトウェアの瑕疵について損害賠償責任の全部を免除する旨の条項は、本法第8条第1項第5号に該当し無効となる場合があると考えられる。ただし、ソフトウェアのバグがそもそも「瑕疵」にあたらない場合には、ソフトウェア事業者が瑕疵担保責任を負うことはない。ただし、一般には、使用許諾契約上ソフトウェアのバグについては、この事例8−14のように、ソフトウェア事業者は交換・修補等により対応する旨定めている場合が多く、その場合には仮にソフトウェアのバグが瑕疵にあたるとされたとしても、消費者契約法第8条第2項第1号に該当し、当該条項は無効とはならないものと考えられる。

(事例8−15)
商品の瑕疵による損害賠償責任については、消費者が瑕疵を知ってから1ヶ月以内に事業者に申し出た場合に限り負うものとする。権利の行使期間を制限する条項は、第8条第1項第5号には該当しない。ただし、行使期間を不当に短く設定している条項は、民法第 566条第3項(行使期間は1年以内)に反するものとして、第10条に該当し無効となり得る。
[2]
第9条(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
I 第1号
(事例9−1)
○ 語学学校等の例契約後、中途解約を希望される場合、下記の条件及び解約理由に設定された解約手数料をいただいた上で納入された受講料の残額をお返しします。解除理由解約手数料本人の転居(転居先に当校がない場合、またあっても遠距離で通学が困難と当社が判断した場合)残余受講料の20%本人の疾病・事故等(但し2ヶ月以上の入院)の (最高限度額2万円)場合上記以外の事由の場合で本人からの申出があった残余受講料の20%場合(最高限度額5万円)

(事例9−2)
○ 標準旅行業約款(主催旅行契約の部)(旅行者の解除権)第15条 旅行者はいつでも別表1に定める取消料を当社に支払って主催旅行契約を解除することができます。
(別表1)区分取消料
イ 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって旅行代金の20%以内20日目(日帰り旅行にあっては10日目)にあたる日以降に解除する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く)
ロ 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって旅行代金の30%以内7日目にあたる日以降に解除する場合(ハからホまでに掲げる場合を除く)
ハ 旅行開始日の前日に解除する場合旅行代金の40%以内ニ 旅行開始当日の解除旅行代金の50%以内
ホ 旅行開始後の解除又は無連絡不参加の場合旅行代金の 100%以内
(注)旅行業法第12条の2の規定によると、旅行業者は旅行約款を定め運輸大臣の認可を受けなければならないが、同法第12条の3の規定により運輸大臣が定め公示した標準旅行業約款と同一の約款を定める場合には、認可を受けたものとみなされる。

(事例9−3)
○ 旅行契約約款の例(旅行者の解除権)第15条 旅行者はいつでも別表1に定める取消料を当社に支払って旅行契約を解除することができます。(別表1)区分取消料イ 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって旅行代金の20%以内20日目(日帰り旅行にあっては10日目)にあたる日以降に解除する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く)ロ 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって旅行代金の30%以内7日目にあたる日以降に解除する場合(ハからホまでに掲げる場合を除く)ハ 旅行開始日の前日に解除する場合旅行代金の40%以内ニ 旅行開始当日の解除旅行代金の50%以内ホ
旅行開始後の解除又は無連絡不参加の場合旅行代金の100%以内このような条項は、事業者に生じる平均的損害を超えているとはいえないので、無効とはならない。

(事例9−4)
契約後にキャンセルする場合には、以下の金額を解約料として申し受けます。(結婚式場等の契約の場合)(A社の場合)実際に使用される日から1年以上前の場合・・・契約金額の80%
(B社の場合)実際に使用される日の前日の場合・・・・・・・契約金額の80%
例えば、A社のように、実際に使用するのが1年後であるにもかかわらず、契約金額の80%を解約料として請求する場合には、通常は事業者に生じる平均的損害を超えていると考えられるので、第9条第1号に該当し、平均的損害を超える部分について無効となる。すなわち、1年前のキャンセルの場合の当該事業者に生じる平均的な損害の額が、仮に契約金額の5%だとすると、80%との定めのうち75%の部分が無効となり、事業者は5%分しか請求できないこととなる。しかし、B社の例のように、式の前日にキャンセルする場合には解約料として契約金額の80%を請求しても、通常は平均的な損害を超えているとはいえず、この条項は無効とはならないと考えられる。

(事例9−5)
契約の解除はいかなる理由があってもできません。
消費者の解除権を制限する条項は、第9条第1号には該当しない。ただし、第10条に該当し無効となり得る。

(事例9−6)
毎月の家賃(70,000円)は、当月20日までに支払うものとする。前記期限を過ぎた場合には1ヶ月の料金に対し年30%の遅延損害金を支払うものとする。
第9条第2号に該当し年14。6%を超える部分について無効となる。例えば、代金1ヶ月分(70,000円)を 180日遅延した場合には、この契約条項どおりだと遅延損害金は、10,356円(70,000 × 30% × 180/365)となるが、第9条第2項の適用によると、5,040円(70,000 × 14。6% × 180/365)が上限となり、5,316円について無効となる。

(事例9−7)
期限までに返却されない場合には1日当たり 300円の延滞料を申し受けます。(レンタルビデオ等の例)
このような延滞料は、契約に定められた期間を超える期間における物品の賃借についての追加料金と考えられる。したがってこの延滞料は金銭債務の支払遅延に対するものではないため、第9条第2号には該当しない。

(事例9−8)
○ 電気供給約款の例44 違約金・ お客さまが41(供給の停止)・ロからト[電気工作物の改変等によって不正に電気を使用された場合等]までに該当し、そのために料金の全部または一部の支払を免れた場合には、当社は、その免れた金額の3倍に相当する金額に消費税等相当額を加えた金額を、違約金として申し受けます。
この違約金は、金銭債務の支払遅延に対するものではなく、電気工作物の改変等によって不正に電気を使用された場合等に課されるものであるため、第9条第2号には該当しない。
[3]
第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
(事例10−1)
消費者からの解除・解約の権利を制限する条項民法第 541条に規定する履行遅滞、第 543条に規定する履行不能、第 570条に規定する瑕疵担保等の事由があれば相手方は契約を解除することができる旨規定されている。一般的にあらゆる消費者契約において、解除権を消費者に付与することは困難であるが、上記のような解除事由に該当する場合は、解除についての任意規定が置かれていることから、消費者に解除を認めないことについて事業者に正当な理由がない場合には、原則として消費者の利益を害するものとして消費者から解除権を奪う条項を無効とすべきものと考えられる。例えば、事業者が民法第 570条に基づく瑕疵担保責任を負う場合であるにもかかわらず、「民法第 570条に基づく消費者の解除権を奪う条項」は、消費者に極めて少額の損害賠償請求権しか認められていない場合には、無効となるものと考えられる。条項が無効となった結果、消費者は民法第 570条に基づき解除権を行使することができることとなる。また、他の例として、消費者の所有する土地を利用した住宅の建築請負契約において、請負人が中途で投げ出したような場合に、未完成部分の解除までも一切解除を認めないような条項は、民法第 541条に反し、土地の使用収益を著しく害するものであって無効であると考えられる。条項が無効となった結果、消費者は民法第 541条に基づき解除権を行使することができることとなる。

(事例10−2)
事業者からの解除・解約の要件を緩和する条項民法第 540条によると、解除権を行使する場合、相手方に対する意思表示によることとされているほか、民法第 541条によると、履行遅滞の場合には、相当の期間を定めてその履行を催告し、もしその期間に履行がない時には契約を解除することができるとされている。したがって、契約の性質からして一定の期日または期間内に債務者が履行するのでなければ、債権者の契約の目的が達成されない場合(定期行為の場合)であるなどの正当な理由なく事業者が消費者の債務不履行の場合に相当な期間の催告なしに解除することができるとする条項については、無効とすべきものと考えられる。条項が無効となった結果、事業者は、解除権を行使するには、民法第 540条、第 541条の規定に従い、相当の期間を定めてその履行を催告し、消費者に対する意思表示により行使しなければならない。

(事例10−3)紛争解決に当たっては、事業者の選定した仲裁人の仲裁によるものとする旨の条項公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律第 788条によれば、仲裁契約に仲裁の選定に関する定めがないときは、当事者は各1名の仲裁人を選定することとされている。例えば、「仲裁人の選定権を事業者のみに与える条項」は、公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律第 788条から乖離するものであり、正当な理由がない場合には無効とすべきと考えられる。ただし、消費者が仲裁手続によるか訴訟手続によるかを選択できるような場合には無効とはいえない。条項が無効となった結果、仲裁手続による場合には、公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律第 788条に従い当事者が各1名の仲裁人を選定することとなる。

(事例10−4)
消費者の一定の作為又は不作為により、消費者の意思表示がなされたもの又はなされなかったものとみなす条項民法第 526条第2項によれば、申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としないものとされる場合には、契約は承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立するとされている。にもかかわらず、承諾の意思ありとは判断し難い消費者の一定の作為又は不作為を捉えて、「承諾の意思表示」と認めるべき事実があったとして契約が成立するものとする条項は、消費者に不測の損害を与える可能性があり、場合によっては無効と解される場合があると考えられる。例えば、会員契約のようなものにおいて、会員になった者に商品を一方的に送りつけ、送りつけられた人がその商品を購入しない旨の通知や返品をしないと、その商品を購入したものとみなす条項は、無効となるものと考えられる。条項が無効となった結果、民法第 526条第2項に従い当該売買契約については消費者の承諾の意思表示は成立しないこととなる。

(事例10−5)
事業者の証明責任を軽減し、又は消費者の証明責任を過重する条項証明責任を法定の場合よりも消費者に不利に定める条項(例えば、民法第 415条の債務不履行責任に関し、事業者の「責に帰すべき事由」を消費者に証明させる条項)は、無効となりうる。条項が無効となった結果、事業者が民法第 415条に基づく損害賠償責任については、事業者の責に帰すべき事由がないことを事業者が証明しなければ同条に基づき損害賠償責任を負うこととなる。

(事例10−6)
消費者の権利の行使期間を制限する条項瑕疵担保責任の権利の行使期間については、当該契約内容の特性等により任意規定と異なる定めをすることは許容されるべきであるが、正当な理由なく行使期間を法定の場合よりも不当に短く設定する条項は、民法第 566条第3項(権利の行使期間は事実を知ったときから1年以内)に比べ、消費者の義務を加重するものとして、第10条に該当し無効となり得る。条項が無効となった結果、消費者は民法第 566条第3項にしたがい、事実を知ってから1年以内に権利行使すればよいこととなる。

【4】 第4章 雑則(第11条・第12条)
第12条(適用除外)
(事例12−1)
○ 家内労働・ 家内労働については、家内労働法第2条第2項で、製造・加工業者や販売業者(問屋等)又はこれらの請負業者から、「主として労働の対償を得るために」その業務の目的物たる物品について「委託」を受けて物品の製造、加工等に従事する者であって、「同居の親族以外の者を使用しないことを常態とするもの」を家内労働者として定義しており、これは、家内労働者がその経済的実態からみれば委託者に従属し、使用者の労働者に対する関係と類似していることから労働者に準じたものとして保護しているものであるが、同時に、家内労働者は「自営業者」的性格を持つものであり、労働基準法等の労働者には当たらないものとして整理している。
・ したがって、その契約関係は「事業として」経済的利益をあげることを目的としているため、「事業」として扱うのが妥当であり、そうするとこの契約関係は事業者間の契約となるために、本法の適用対象とはならないものと考える(物品の加工等に用いる器具(例えばパソコン)等の購入等については、購入目的につき客観的、外形的に家内労働としての委託作業のためと判断することが現実的に困難であり、または、その用途が家内労働としての委託作業に「主として」限定されない場合には、原則的には消費者とみなし、したがって本法の適用範囲に入ることが考えられる。)。
・ ただし、家内労働を始めようとする者が、委託者等から、相当の工賃収入が得られるとの不適切な説明を受けたことにより、1高額の機械を市価の倍額で売りつけられたり、2家内労働の講習会として多額の受講料等を支払ったが、仕事の委託が行われない場合等のように、「実体のない委託関係」にあると考えられる場合の家内労働者については、当該家内労働が「計画的に行われるものでない」ので、当該家内労働者は事業者でないということになる。ゆえに、事業者(委託者)と消費者(家内労働者)との間の契約関係となるため、当該ケースについては本法の対象になることが考えられる。
・ さらに、在宅就労者の在宅就労については、情報通信機器を活用する等により、在宅形態で1 雇用関係に基かず自営的に行われる働き方2 基本的に雇用関係に基づく非自営的働き方という2つの性格が考えられるが、これについても上記の考え方により、1は「事業」として上記家内労働に係る
・及び・の考え方と同様に扱い、2は労働契約として扱うことが適当であると考える。

(事例12−2)
○ 家事労働・ 家事使用人(いわゆるお手伝いさん)が紹介会社等からの派遣等によらず個人で個人の消費者と契約する場合(第三者に紹介された場合も、労働派遣と違い、第三者は紹介しただけであるので、基本的関係は家事使用人と家事使用者になると考えられる。)は、労働基準法第8条等(家内労働法も含めて)において、家事使用人については労働基準法等が適用されない旨明記してあるため、通常の労働契約とは別に、社会通念上の価値判断に従って判断する必要がある。
・ しかし家事使用人についても基本的には労働契約に基づく雇用関係にあることには間違いがなく、個人宅で労務に服する側は上記考え方と同様に業として契約するわけではない(従って労働契約に準拠して消費者契約法の適用外になる)し、その以前にそもそもの問題として、雇う側である個人宅の方も事業ではないために、消費者間契約となり、適用範囲から外れることが考えられる。
・ したがって、家事使用人が家事に使用するエプロンを購入する等の場合については、家事労働契約が上記いずれの考え方をとっても、家事使用人にとって「事業のため」にする契約とはならないため、本法の適用範囲に入ると考えられる。

(事例12−3)
○ アルバイト、家庭教師・ 事業者が学生等をアルバイトとして雇用し、契約するケースについては、本条第12条に規定する労働契約に該当するため、本法の適用はない。
・ 事業者が求人広告等を通じて、学生等を募集し、当該学生等に対して顧客を紹介し、当該学生は対価を得て、当該顧客に対して役務を提供するケース(例えば家庭教師派遣における家庭教師派遣会社と家庭教師の関係)については、労働者派遣法の考え方に従って判断すれば、本法第12条に規定する労働契約と考えることができるため、本法の適用はない。
・ 学生やいわゆるフリーター等が継続的に、かつ個別に一般消費者と契約する役務契約(例えば家庭教師など)については、一般消費者は本法における「消費者」であり、家庭教師は「消費者」との間に準委任契約を締結する「事業者(=事業として契約の当事者となる個人)」となることから、本法の適用がある。

(事例12−4)
○ 労働に関係するケース労働に関係するケースについて考えると、労働契約の考え方に従い、労働者にとって「事業のための契約」には該当しないことから、以下の様に考えるのが適当である。

・ サラリーマンが、自己の営業用の名刺や背広を買う場合労働契約におけるサラリーマンは、当該契約を「事業のために」しているものではない(社会通念上、サラリーマンが事業主との間で締結する労働契約に基づく労働は、サラリーマンの「事業」ではないと考えられる。)ため、自己の営業用の名刺や背広を買う場合は、サラリーマンの「事業のため」の契約とはならない。したがって、その場合は、本法の適用範囲に含まれることとなる。

・ 従業員が自分のスーツを購入するケース例えば、雇用主との間で労働契約を締結した従業員が、自分の労働のためにスーツを購入する場合については、労働契約に基づく労働が「事業」にはあたらないため、労働を行う個人は「事業を行う個人」には該当せず、したがって「事業を行う個人以外の個人」となるため、本法においては「消費者」として締結する契約となる。

・ 従業員が自分の定期券を購入する場合基本的には・と同じと考えられるが、・と異なる部分があるとすれば、事業者が定期券の資金を通勤手当等として拠出することが考えられる点である。この点、通勤手当は、負担の割合に関わらず、通常労働基準法上の賃金と解されており、事業者が従業員のために定期券の購入費を拠出している場合においても、従業員が自分の名目(主体)、資金(賃金)によって購入するので、契約主体や社会通念上の判断も含めて、消費者が事業者による拠出を受けずに定期券を購入する場合と同様、本法の適用範囲に含まれる。

・ 従業員が自分の食事のために食料を(反復継続的に)購入する場合食料を買うのは、人間の基本的生存を維持するための行為であると判断される(例え労働契約を事業とみなしたとしても「事業のため」の行為とはいえない)ため、消費者として本法の適用範囲に含まれる。

・ モニター又は外交員の登録(契約)モニター又は外交員として事業者に登録(契約)し、月1〜2回程度都合のいい日に事業者の指定する場所に出勤し、当該展示会場等で物品の販売業務を行うもの(業務の実態及び給料(謝礼)の支払実態はある。)であって、当該モニター又は外交員となる契約の一環として業務上必要であるとして契約された制服(又は物品)の販売又は有償貸与について本法の適用範囲に入るかどうかという問題がある。この場合、名目はどうであれモニター又は外交員としての登録(契約)の実質が労働契約であれば、労働契約である。また、モニター又は外交員としての登録(契約)が、実質として労働契約でなく、委託関係にあるのであれば、当該登録(契約)は事業者間契約ということになる。この前提に立つと、業務上必要であるとして事業者との間に制服(又は物品)の販売又は有償貸与について契約を締結した場合は、事業者が事業のための契約となり、モニター又は外交員については、その登録(契約)が実質として労働契約であれば、事業のためではない契約となるため、本法の適用範囲に含まれることが考えられるし、その登録(契約)が実質として委託関係にあるのであれば、事業のための契約となるため、本法の適用範囲に含まれないことになる。また、モニター又は外交員としての給与(謝礼)体系の違い(例えば、完全歩合制と一定の基本給+歩合給の違い等)は、本法における当該モニター又は外交員の取扱いに変更を与えるものではない。

「苦情の坩堝」